海洋生物資料管理データベース構築【東海大学海洋学部様】


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【船舶・海洋システム事業導入事例】(2015.03)

導入の背景

東海大学海洋学部様では、様々な海洋生物を取扱う研究者が所属しており、現在、多くの研究を通して得られた生物情報は研究者が個々に管理し、お互いが共有可能な形で管理されていませんでした。駿河湾を例に挙げると、大型生物、鯨類、魚類、動物プランクトン、植物プランクトン、サンゴ、ベントスを対象とした様々な生物を個々の教員の方々が研究されています。

今回、私たちはこの状況を改善したいという先生からの要望を頂き、それぞれ個々に得た海洋生物情報を共有する基盤を整備する目的で、海洋生物資料管理データベース構築をさせていただくことになりました。

 課題、その取り組み

課題として、先生からの依頼で学部内ネットワークで利用できる要件を満たしつつ、将来的にはインターネットを介した外部からも利用できる要件も考える必要がありました。また、利用ユーザの管理および「機関、研究グループ、研究室、個人」単位での公開の範囲を指定できる要件。公開に応じた、「閲覧・編集」権限の設定、資料ファイルのアップロード、ダウンロードを可能にする要件が必要でした。

課題に対する取り組みとして具体的には下記取り組みが必要となりました。

  • データベースサーバ、データベーステーブルの設計、構築
  • FTPサーバの構築(クライアントとサーバ間でのファイルやりとりのため)
  • ユーザが使用するGUIソフト2種「資料管理ソフト、ユーザ管理ソフト」開発及びインストーラの提供
  • ユーザが使用するGUIソフトとサーバ間でのやりとりを可能にするためのインターフェイスソフト開発
  • ソフトのログインや資料ファイルの送信・取得、インストーラダウンロードなど目的別にFTPユーザを分ける

取り組みにおいては、インターフェイスソフトにおけるクライアントからサーバへのファイルのやり取り方法が一つの通過点となりました。ファイルのやり取りでは、Windowsのファイル共有機能を利用する方法がインターフェイスでは一般的ではありますが、Windowsのファイル共有機能を外部のインターネットとつながっているLAN上に設定するのは、セキュリティー的に課題があること、結果としてお客様のセキュリティーポリシーに抵触することとなることを考慮して、私たちは考え、FTPを利用することでセキュリティを保ちつつ、クライアントからサーバへファイルを送り、インターフェイスしてやり取りができるようにソフトを改修し、サーバへも設定することで対応できました。

また、今回は利用ユーザの中でも登録された資料データに応じて、公開範囲(閲覧権限)および編集権限を「機関、研究グループ、研究室、個人」単位で設定できるようにする必要がありました。私たちが採った策としてはサブネットマスクのように権限情報を資料データ個々に付与して対応する事にしました。

公開範囲、編集権限の仕組み

公開範囲、編集権限の仕組み

システム概要図

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導入の効果

海洋生物資料(基本情報、画像、文献、動画、wordファイル、pdfファイル等)を登録する事が出来、ユーザ間で情報共有することができるようになりました。

管理者側で新規ユーザを登録(メールアドレス、名前、機関、研究グループ、研究室、ユーザID)を登録すると、自動で相手のメールアドレスへパスワードの通知とインストーラのダウンロード先案内が送付されるため、利用ユーザはメールを読み指示に従い、ソフトを使い始めることができます。

資料登録ソフトイメージ

資料登録ソフトイメージ

弊社担当スタッフより

現在は学部内の一部の研究者の方々にて利用されていますが、今後はインターネットを介した一般公開も予定されています。
インターネットを介して、外部の研究機関の研究者との情報共有も可能なデータベースシステムです。今後が楽しみです。

今回は海洋生物ですが、同じような仕組みで資料や情報をデータベース管理していくことが可能です。
研究機関様、一般企業様に限らず、弊社は対応できますので、お気軽にお問合せくださいませ。

関連ページ

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