公開日:2017年4月19日 更新日:2017年8月2日 ©

【開発情報】山岳遭難救助の支援機能(2)



こんにちは、システム・アローポーションの矢部です。
2011年からダイエット目的で山を歩くようになりました。低山から歩き始め、徐々に標高の高い山にも挑戦するようになりました。山に関する書籍を読んだりや講習会などに参加して感じたことは、「遭難」の多さでした。弊社で培った拙いHowToですが、うまく利用できないかと模索してみております。

前回は、登山した軌跡の有効利用について試作してみたことをご報告致しましたが、今回は、登山用のスマートフォンアプリについて考えて試作をしてみました。

【現在の運用方法】

携帯電話の通信圏は広がりつつありますが、ちょっと山の中に入ると通信圏外になってしまいます。携帯電話の特性として、圏外になると常に基地局を探すために電池が劇的に消耗していきます。私は通信圏外になったことを確認すると機内モードに変更して、電池の消耗を抑制しています。また、携帯電話(スマートフォン)では、スマートフォンアプリの「山と高原地図 MAPPLE社」を動作させ、GPSロガーとして利用しています。

【遭難、救助対策として】

こんなソフトをスマートフォンアプリとして作ってみたら、良いことがあるのではと思いました。
1.指定された間隔でGPS情報から得られる位置や移動方向、速度情報、電池の残量情報を蓄積します。
2.定期的に機内モードから通常モードに変更し、数分間、通信圏内になるかを確認します。
3.通信圏内になると、スマートフォンの固有ID(電話番号など)と蓄積した1項の情報を管理サーバに通知します。
4.指定された時間内に通信圏内にならないと、再度機内モードになり、電池の消耗を抑制する状態になります。

【メリット】

メリットとして、遭難があった場合、携帯番号や固有IDで検索することで、登山口の位置、時間、最終通知位置、時間を知ることができ、速度やルートなども推測ができるものと考えます。また、その情報を認証などを経て、家族やグループが共有できる情報にすること、下山後、登山記録して利用できることなど複数のメリットがあると思います。前回、記述しました情報検索機能と連携させれば、万一のことが起きた場合に、迅速に正確な情報を遭難救助に当たる方々に提供できるのではないかと思う次第です。

山小屋などで、家族にどこの山にいくかも告げずに来たとか、山に行ってくるとは言ったけど・・・という話をよく耳にします。何事もなく下山できたから笑い話になるのだと思いますが、事故が起きれば何の手がかりもないという状況になってしまう訳です。これはご家族や遭難救助を依頼された機関にとって極めて困惑する状況に陥ります。

【試行錯誤の途中】

スマートフォンのOSのバージョンが上がった影響で、機内モードがソフトウエアから制御ができなくなってしまったのを機会にとん挫してしまいました。コメントや状態なども登録、発信できる機能をつけて、鳳凰三山(地蔵、観音、薬師)を周回するコースでテストをしてみましたが、機内モードの制御ができないと電池の消耗が激しく、実用には難しいという感じを受けました。

【画面イメージ】


GPSデータのログ及びデータ送信の間隔を設定します。


状態を登録することができます。


動作状態を確認する画面になります。表示されている情報に携帯電話の番号情報を付加して、管理サーバにデータを自動的に送信します。


送信されたデータの一覧です。


送信された位置情報をGoogle Mapで描画をさせました。

実際に本ソフトを利用して、高尾山登山口から影信山までの軌跡をプロットしてみました。

スマートフォンの電池対策を講じることができれば、とても有効な機能ではないかと思いました。携帯電話が圏内、圏外を自動で判断し、通信が可能であれば、蓄積した軌跡情報や速度、電池の残量などの情報を送信し、登山のルート、状況を通知すると共に電池の消耗を抑制することができます。遭難などが起きた場合、アクセスした登山口、歩いた軌跡からルートの特定、移動速度、進路などからかなり多くの情報を推測できるものと思います。

引き続き、培ったHowToを利用して、安心・安全な山歩きに貢献できるように善処してまいります。