ADCPデータベース構築【東海大学海洋学部様】


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【船舶・海洋システム事業導入事例】(2016.02)

導入の背景

東海大学海洋学部様では株式会社エスパルスドリームフェリー様協力の元、駿河湾横断フェリー「富士」の船底に取り付けられているADCP(超音波ドップラー多層流向流速計)を用いて、毎日ADCPデータ観測をしています。その観測データを東海大学海洋学部教育GP室内の専用端末が自動でダウンロードし、株式会社ハイドロシステム開発様HydroDosシステムにてRAWデータをAscii変換し、そしてAsciiデータを図化して、ホームページや学部内の電子掲示板で公開しています。 今回、私たちは先生からの依頼受け、長年積み重ねてきた膨大なAsciiデータや図化データを研究活用ができるように、そしてグリッドで区切って自在に取り出せるようにデータベース化したいという要望を受けて、ADCPデータベース構築に挑むこととなりました。

課題、その取り組み

課題として、ただ単に今までに収録したデータをデータベース化するのではなく、今現在も毎日ADCPデータ観測をしているため、自動でデータを取得してデータベースに登録できる仕組みが必要でありました。また、データベース化をするにあたり、今後のデータベース活用を見据えたデータベーステーブルの設定やWEB-GUIの設計、利用ユーザ管理システムを用意する必要もありました。 具体的には下記の取り組みが必要となりました。

  • データベースサーバ、データベーステーブルの設計、構築
  • HydroDosシステム稼働の専用端末から自動でデータベースサーバへのデータ転送を行うシステム開発
  • データベースサーバに転送されたデータをデータベースへ自動登録させるシステム開発
  • 専用WEB-GUIの開発
  • 検索条件にてヒットしたデータを圧縮ファイルにして、一括ダウンロードさせるシステム開発
  • メール通知システム開発
  • 利用ユーザ管理システム(利用申請、利用許可、利用廃止)開発

取り組みの中でも、苦労したのはHydroDosシステム稼働の専用端末から自動でデータベースサーバへのデータ転送を行うシステム開発と専用WEB-GUIの開発でした。いずれも他のシステムや利用ユーザという相手がいてのシステムであったため、要件にあわせて改良を加えていく必要がありました。例えばデータ転送システムではHydroDosにて生成されたファイルをサーバへ転送するのですが、当初はHydroDosの生成するファイル名に規則性(年月日)がある事を狙い、ファイル名を見て当日の年月日が入ったファイルを転送するようにソフトを組みましたが、HydroDosが完全な1日分を生成するには翌日である必要があり、結果としてうまくいかず、最終的にはファイル名とタイムスタンプをソフトが監視をして、タイムスタンプが新しいファイルであれば、転送をするということで上手く稼働するようになりました。

システム概要図

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導入の効果

データベース化することにより、今まで手作業で時間がかかっていたデータの加工が、データ検索条件で自動生成できるようになり、容易にデータの解析、比較ができるようになりました。 データの検索条件は下記が可能です。

  • 抽出期間(年月日時間のfrom to)、抽出層(1-50層から5層指定)、抽出範囲(緯度経度/左下右上範囲指定)

また、利用ユーザ登録管理機能があるので、登録申請、利用停止、申請許可処理をWEB上で行うことができ、許可を得た者のみが利用することができます。

WEB-GUI

WEB-GUI

 

検索結果画面

検索結果画面

弊社担当スタッフより

観測したデータのデータベース化を進めることで、積み重ねてきたデータの更なる研究活用が見いだせると思います。 まだまだ、船舶・海洋システム関係のデータベース化は追い付いていないと思います。当社では医療システム事業で培ったデータベース構築能力を生かして、船舶・海洋データのデータベース化をご提案することができます。「観測データのデータベース化」ぜひ、弊社にご相談ください。

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