Felicaを用いた入退室管理システム換装(勤怠管理、人事管理システム連動)


nyutaishitukanritop12

【医療システム事業導入事例】(2016.02)

導入の背景

今回、導入頂いた病院様では職員用出入口の鍵に非接触型ICカード(Mifare)を使用しており、この非接触型ICカード(Mifare)を利用して、弊社自社開発の勤怠管理、人事管理システムも運用していました。今回、システム換装に踏み切った背景として、この非接触型ICカード(Mifare)を利用した職員用出入り口の電気錠のメーカーサポートが終息しており、万が一、故障した場合に換装するまで、鍵が使用できないという事態になる危険性があったこと、また、非接触型ICカード(Mifare)自体の品質の悪さ(磁気に弱く故障しやすい、読込感度が悪い、故障時の代理店の対応が良くない、遅いかつ費用がかさむ)などの今まで我慢して使用してきた経緯があり、新型システムへの換装をすることとなりました。

課題、その取り組み

課題として、入退室管理システムには㈱エヌケーシー様のOAre(オアリ)を採用する事が決まり、採用するICカードは必然的にFelicaと決まりました。FelicaといえばSuicaをはじめ、非接触型ICカードの標準的存在になっております。最初の課題としてFelicaカードの選定です。職員様がお持ちのFelica内蔵ICカードまたはスマートフォンにすることも可能でありましたが、今回は初回のマスター整備作業なども必要とするため、新たに用意することとしました。FelicaにはStandardとLite-Sという2つの規格があり、違いはカード内に書き込みできるデータ量の違いです。今までの旧式ではカード自体に「職員ID」を書き込んで運用していたのですが、Felicaカードにはカード固有のIdm番号を持つことが分かったため、このIdm番号とデータベースを利用して職員IDを逆に管理する方法を考え、ICカード内にデータを入れる必要がなくなったため、Lite-Sを選択しました。結果として、カード自体にデータを書き込む必要がないため、導入の手間が楽になりました。今後のカード追加やメンテナンスでも活躍します。

次の課題としては、ICカードリーダの選定です。㈱エヌケーシー様のOAreのカードリーダは問題ないので、打刻システムのパソコンにつなげて使うカードリーダです。カードリーダは様々なメーカがありますが、Idm番号の読み取りソフトが必要なため、acs製のACR122マニカコレクターを選びました。実はこれが間違いの選択であったのは後でサポートに問い合わせてから判明したのですが、ACR122ではLite-Sカードは読めません。(ネットの仕様一覧情報を見てもこの事は書かれていなかったのでわかりませんでした。)結果的にはACR1251マニカコレクターを購入し直すことで対応できました。

次はシステム構築の課題です。㈱エヌケーシー様のOAreのシステムは入退室管理ソフトを入れたサーバにて単独で動作するので問題なし。最初の職員マスタ、Idmマスタもcsvで用意することで一括で登録することができました。システムでの課題は勤怠管理、人事管理システムの改修とICカード読み取りソフトをシステムに合わせて用意することです。勤怠管理システムでは基本機能は変わらないため、改修はICカード読み取りソフトの組み込みです。今まではICカード自体に職員IDが入っていたためその情報を読み込んで、勤怠登録していましたが、今回の新しいICカードには職員IDは入っていないため、ICカード読み取りソフトにて一度読み取ったIdm番号を院内データベースサーバに問合せをして、紐づく職員IDを返してもらい、勤怠登録できるという仕組みにソフトを改修しました。人事管理システムでは、職員情報マスタにIdm番号を追加するフィールドの追加改修とユーザが職員情報マスタにIdm番号を追加できる機能の追加改修を行いました。

システム概要図

nyutaikanri12

導入の効果

  • ーFelicaICカードの運用により、読み込みが早く、感度が良くなり、より使いやすくなりました。
  • ー新しい職員の入職、カード紛失時の対応も、予備FelicaICカードがあれば柔軟に対応ができるようになりました。
  • ーFelicaはICカード業界で標準となっているため、長期間の機器サポート寿命が期待できます。

弊社担当スタッフより

今回は弊社システムが導入されている既存のお客様の事例でしたが、システム概要図にある通り、弊社では入退室管理から、勤務表、勤怠管理、人事管理までをひとまとめにした管理ソリューションを提供しています。また、ICカードを利用した会議参加管理システムなどのソリューションも用意しております。なかなか思うようにシステム化ができないというお客様、ぜひ、弊社までご相談くださいませ。

OAre(オアリ)の主な特徴

  • ー最大120扉、最大3000人の管理が可能
  • ー警備連動機能により電気錠の解錠とともに警備の開始解除のスイッチとして利用可能
  • ーカードリーダ操作で連続解錠/施錠操作が可能
  • ーセンター側から連続解錠/施錠操作操作可能
  • ー警備状態に連動したインターロック制御、扉の開閉に連動したインターロック制御が可能
  • ースケジュール機能により電気錠の連続解錠が可能

インターロックとは、ある操作を行なうときに、ある条件を満たさない限りその操作が行なえないようにする制御の方法のことです。

関連ページ

株式会社エヌケーシー様(「OAre(オアリ)」販売業者)
入退室管理システム「OAre(オアリ)」商品紹介ページ
株式会社クリテム様(専門工事施工業者)