【船舶・海洋システム事業導入事例】(2017.08)
導入の背景
東海大学様の海洋調査研修船・望星丸では、各観測機器から得られた情報を船内情報処理サーバにて編集処理を行い、船内LAN(ネットワーク)を通じてネットワーク上の端末に情報を発信しています。遠隔の端末では、モバイルプリンタ(レシートタイプ)が接続されており、海洋観測で観測機を海中に投下した時など端末のキー操作によりその時点の本船位置、動静情報(船首方位、針路、船速)や風や気温などの気象情報、ウインチの情報などをモバイルプリンタで印刷することができます。
(CTD投下の様子)
課題、その取り組み
モバイルプリンタから印字された記録紙をレポートファイルに糊付けやセロテープで貼って海洋調査報告書を作成しているのですが、糊付けの状態が悪く剥がれてしまうこと、貼付せずにレポートに挟んでしまうこともあり、誤って記録紙を紛失してしまうことがあるようです。その場合は記録した時間を元に収録された観測データを検索して、手書きで転記するとのことでした。「収録された観測データから必要なデータを抜き出すことは容易ではないんですよ」というお話を伺ったことがありました。 具体的には下記の取り組みが必要となりました。
- キーボードの操作で「印刷」ボタンが押された際に、印刷内容の情報をファイルに保存
- 記録用紙をシールタイプのものに変更
取り組みの中でも、検討すべき点としては本体の大きさとシールの粘着力、価格でした。適合するプリンタを調べてみても中々良いものを見つけられませんでした。そんなとき弊社の物品購入で大変お世話になっているオーケーテクノ株式会社様からこのプリンタ(スター精密社SM-L300)のご提案を頂きました。早速デモ機を取り寄せて頂きました。テストを行ってみたところ問題なく利用できることが判り、大学様にご提案、デモストレーションをさせて頂き、ご好評を得てのご導入となりました。
システム概要図
表示画面
印刷イメージ
ファイル保存
導入の効果
特に大きな不具合もなく、順調に動作しています。シールの粘着力が適当で、普段は剥がれにくく、剥がしたいと思ったときにはシール跡もなく、報告書に破損を与えることもなく、綺麗に剥がせて、再度貼り付けることができました。
弊社担当スタッフより
プリンタの設置、インストールについては何も問題なく、動作することができました。また、万一の場合に備えて、印刷時に印刷内容をファイルに保存する機能も拡張することにしました。導入後、一度、内部のファームウエア更新のために差し替えがありましたが、それも問題なく行うことができました。モバイルプリンタ(スター精密社SM-L300)はモバイルバッテリーを内蔵しており、Bluetoothによる接続もできますので、タブレット端末での利用にも向いており、様々な活用ができます。気になることがございましたら、弊社までお気軽にお問い合わせくださいませ。