【ネットワークソリューション/船舶・海洋システム事業導入事例】(2015.10)
導入の背景
今回、導入した船では、船内から外部へのインターネット手段として、「インマルサット(衛星)」、「WIDESTARII(衛星)」、「モバイル(LTE)無線LANルータ」の3通りの手段で船内でのインターネットを用意されていました。その中で使用頻度が高いのは通信料金定額制で高速通信可能な「モバイル(LTE)無線LANルータ」で、こちらを限られた数台の端末にて使用されています。「インマルサット(衛星)」、「WIDESTARII(衛星)」は通信料金が従量制なので、必要最低限に使用されています。今回、「モバイル(LTE)無線LANルータ」のリニューアルとして、通信料金定額制と高速通信可能というメリットを残したまま、「通信エリアを海上でもより広く使いたい」、「利用できる端末を増やしたい」というお客様のご要望をいただき、ご要望に合うシステムを設計して導入することとなりました。
課題、その取り組み
課題として、まずはLTE内蔵モバイルルータの選定です。まずはここから始まりました。条件として「船外にアンテナを設置できる事」、「優れたルータ機能を有する事」を満たすことを念頭に置き、行き着いたのが「NEC製のWA2611-AP」でした。WA2611-APはLTEモバイルアンテナを内蔵したSIMフリールータで、4ポートのGigabit優先LANポートとIEEE802.11acワイヤレスLAN機能を持っており、外部アンテナ接続が可能という機種です。SIMフリーなので、MVNOで提供されているSIMも利用できるため、月額利用料金を下げることも可能です。今回、船内ではWA2611-APから先は、少し工事を行い、既存の配管を使用してLANを通して、希望の通信可能エリアに無線アクセスポイントを数台設置いたしました。
次なる課題としては、外部アンテナの取付です。NECではオプション品として外部アンテナ1.5mまたは5mを用意していますが、これでは船内に設置したルータから船外への引き回しには長さが足りません。その対応として、オプション品の外部アンテナを延長するための延長ケーブルを用意することで対応しました。延長アンテナの接続端子は一般的なSMA-J端子を使用しており、SMA-Jオスメスの両端の1.5D-QEVの高周波同軸ケーブル20mを使用しました。オプションの延長ケーブルと合わせて全長25mです。また、船外の設置に対応するため、塩害対策向けのPF管を用意し設置いたしました。
導入の効果
通信可能エリアが確実に広がりました。今までは、通信圏外になってしまっていた場所が通信可能になり、より手軽に運航中のインターネットが利用できるようになり、狙い通りの結果となりました。
有線LANでのLAN設計にも対応でき、コンシューマ向けのモバイルルータに比べ品質が良いので、複数台のデバイスが同時に利用をしても問題なく使用できています。
弊社担当スタッフより
WA2611-APをしたネットワークソリューションは船舶のみならず、無人のロケーションなども有効です。また、DynamicsDNSも利用できるため、VPNも利用した、システム保守やIotデバイス管理もしやすいです。
お客様が抱えているネットワークの悩み、ぜひ弊社のネットワークソリューションで解決しませんか?