こんにちは、システム・アローポーション株式会社の矢部です。
先日、お客様から「重要なログイン情報が消えてしまい、困っている。何とかならないでしょうか?」とのご連絡を頂きました。訪問させて頂き、状況を確認すると、ダイアルアップ接続時のログイン情報が意図としない操作によって、誤ったログイン情報に書き換えられてしまい、接続しようと試みても「ユーザ名、またはパスワードに誤りがあります」というエラー画面が表示され接続できない状態になっていました。そこで、正しいログイン情報が記載された書類のご提示をお願いしたところ、既に探していたが見つからないという状況でした。ログイン情報の発行元に確認すると、再発行は可能だが、再発行後、利用可能になるまでには一ケ月の期間を要すとのご回答を頂きました。お客様はデータ提出のため、緊急性を要する緊迫した状況でありました。
我々も、現場のご対応で、職員様がお持ちのメモなど可能性がある限りのログイン情報の入力を試みましたが、接続は出来ませんでした。そこで、我々は書類やメモによるログイン情報の取得ではなく、パソコン端末内に保存されている情報をリスクを最小限にしつつ、何とか引き出すことを考えました。
その結果、上手くログイン情報を取り出すことに成功しました。
方法は以下の通りです。
- リスクを最小限にするため、パソコンのフルバックアップを取り、万一の場合に備えます。
フルバックアップには、Acronis社のTrue Image 2017を使用させて頂きました。 - Windowsの復元ポイントを作成します。
- Windowsの復元にて、ダイヤルアップ接続が正常に動作していた時の復元ポイントを指定して復元実行を行います。
- Windowsの復元完了後、フリーウェアのパスワード解析ソフト「SeePasswd」を使用して、ダイアルアップのログイン情報を取得します。
※如何なるソフトウエアを利用する場合、直接的、間接的に生じた一切の責任は使用者にあります。また、弊社はこのソフトの動作を保証し、如何なる責任を負うものではありません。 - Windowsの復元にて、2項で作成した復元ポイントを選択して復元実行します。(元の状態に戻ります)
- 再度、ダイアルアップ接続を行い、4項で取得したログイン情報で接続を試みます。
万一、ログイン情報に誤った情報を保存してしまった場合の対策方法の1つとしてご参考になれば幸いです。
今回、該当パソコン端末のWindows復元設定がONになっていたことが功を奏する結果となりましたが、逆にお客様が故意に削除をしていた場合を想定すると、見えてはいけないデータが見えたということになりますので、改めてリスクマネージメントについて考えさせられる事案でした。