Power Line Communications(電力線通信)のご紹介


こんにちは、テクニカルサポート担当の長原です。

今回は昨今だんだんと普及してきておりますネットワークに関する技術Power Line Communications(電力線通信)につきまして、複数の施設様にて導入のための検証を行わせていただきましたので、ご紹介したいと思います。

Power Line Communicationsとは何か?

Power Line Communicationsにつきまして、簡単にですが説明しますと日本語で「電力線通信」と言い「PLC」と一般的には略称される既存の電力インフラを活用した通信技術です。

建物や設備にすでに敷設されている電力線を通信回線として利用して、LANケーブルや光ファイバーなどの新たな通信配線を敷設せず、電源が供給されている場所であればネットワークを構築できることが大きな特長となります。

現在のところ活用されている場所として代表的な場所は工場・ビル・船舶など、配線工事やWi-Fiの利用に制約のあるさまざまな現場に加え、ご家庭の電気メーターの使用量を遠隔で確認するのにも活用されている様です。

Power Line Communicationsが注目される理由

配線工事が難しい現場でも通信環境を構築できる為

  • 古い建物でLAN配線が想定されていない
  • 防火法・建築基準により新規貫通孔が設けられない
  • 稼働中設備を止めずに通信を導入したい
  • 無線通信が安定しない環境がある

こうした【通常のネットワーク構築が難しい現場】において、電力線通信は現実的かつ有効な選択肢となっています。

また、新たな通信配線工事が不要、または最小限で済む為、工期短縮・コスト削減といった効果も期待できます。

実際の検証・導入支援事例

ここからは冒頭の通り実際の施設様での検証・導入支援についてご紹介させていただきます。

①介護付き有料老人ホーム様

こちらの施設様は建築から時間が経っている事と、複数の建物が渡り廊下で繋がり一つの施設として稼働している為、新たにネットワークの配線を新設するのが難しいという事でお話を頂きました。

実際にお伺いしてきた所、天井内も手のひら一つ分と狭く建物間の渡り廊下に防火壁があることもあり、これらも新たに配線する事を難しくしている要因でした。

幸いなことに今回PLCの動作テストを行ったところ、ダウンロードで実測80Mbpsとなりましたので、施設様で現行使用しているWi-Fiが120Mbpsであることを鑑みると、十分実用可能な範囲であるとご判断いただけました。

②寝具・タオル・パジャマ・白衣の洗濯及びリース・販売工場様

こちらの施設様からのご依頼につきましては、PLCの設置まで弊社で行わせていただいております。

ご依頼内容としましては、事務所建屋の離れに食堂として使用している休憩室があり、そこで勤怠のシステムを活用したいのでインターネット回線を新しく引き込みたいというご依頼でした。

課題としましては、離れの休憩室という事もあり選択肢としては屋外用Wi-Fiもしくは、屋外用のLANを空中配線又は、地中配線という事になりますが、費用がどうしても掛かってしまうと気にされておりました。

現場確認の結果、幸いなことに休憩室への送電線が事務所側のブレーカーから配線されていることが分かりましたので、ブレーカーへのPLC直接取り付けを行い事務所―休憩室間のPLC経路を構築、事務所内のルータからブレーカーのPLCまでのみLANケーブルを配線する事で、無事休憩室でのネットワーク使用が可能になりました。

③海洋調査研修船

以前よりお世話になっております海洋調査研修船において、船内のインターネット拡充を目的にStarlinkを導入した為、船内全域で使えるようにしたいとご相談を頂きました案件となります。

課題として船舶自体が鋼鉄で出来ている為、Wi-Fi等は短距離でしか使用できない事と、防火法との兼ね合いで新しく配線用に貫通孔を作れない事がありましたので、今回PLCをご案内させていただきました。

最初はStarlinkが設置してあるCPU室と同じ階にある分電盤から船内に広げようと考えましたが、テスト段階で使えない階やノイズ等の影響か使えない場所、使えたとしても回線速度が出ない等あまり上手く行きませんでした。

そこにCPU室から機関室に配線されているLANケーブルがあるとお伺いしましたので、機関室の配電盤までLANケーブルを延長し、配電盤へ直接PLCを接続すれば船内全域に上手くネットワークを広げる事が可能ではないかとテストをしてみました所、使用可能場所、回線速度共に改善し航海中の試用期間も好評で終わる事ができまして、無事導入が決定いたしました。

終わりに

以上、調査・対応させていただきましたPLC案件につきまして何件かご紹介させていただきました。

ご紹介させていただきました通り、現在の環境では新しくネットワークを拡充するのが難しい条件下でお悩みの方には良い知らせとなる技術になるかと思っております。

しかしながらPLCは夢のある技術ではありますが、残念なことに欠点となる部分もあります。

例えばモーターや冷蔵庫、電子レンジ等の電気的ノイズを発する家電と同じコンセント(OAタップ含む)で使用すると通信が著しく不安定化してしまう問題や、分電盤(ブレーカー)の相構成(R-S・S-T・T-R)による制約、条件下によっては回線速度が遅くなってしまう等があります。

弊社では上記を踏まえまして現場調査・可否判断・導入支援まで一貫して対応が可能となりますので、これまでご紹介させていただきました事例と同様な、新たにLAN配線が難しい環境にある又は、新ネットワークの導入コストをなるべく抑えて導入したい等ございましたら、ぜひお気軽にご相談ください。